水イボは「伝染性軟属腫」という乳幼児に多い皮膚感染症です。
自然に治ることもある一方で、全身に広がってしまうこともあります。
どういったときには治療したほうがいいのか、どのように治療するのか、についてもお話していきます。
原因
伝染性軟属腫ウイルスの接触感染によるものです。
直接触れたり、タオルを共有したりすることで感染します。
症状
乳幼児に多く、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の子供では特に発症しやすくなります。
白くて丸いツルっとした細かい発疹が特徴です。
わきの下、腕の内側、おなか、首まわりなど中心に、毛穴のあるところであれば全身どこにでもできます。
湿疹を併発することもあり、その場合は赤み、かゆみを伴います。
水イボの予防
集団生活をしている子どもであれば、完全に接触感染を防ぐことは難しいでしょう。
ただし、乾燥などで皮膚のバリアが弱まっていると、伝染性軟属腫ウイルスへ感染しやすくなるため、日頃から保湿剤でスキンケアしておくことが予防につながります。
また、アトピー性皮膚炎や湿疹が併発している場合は、掻き壊しなどにより水イボが拡大するリスクも高くなります。アトピー性皮膚炎や湿疹の治療をしっかりとしておくことも大切です。
治療
半年から数年かけて自然に治癒するため、必ずしも治療が必要というわけではありません。
しかし、治癒を待つ間に、全身に広がったり、他のこどもへうつしてしまうこともあります。そのため、医療機関では医師の判断で、水イボをとる治療を行うこともあります。
特に、アトピー性皮膚炎や乾燥肌により皮膚のバリアが弱い場合、短期間で広範囲にひろがってしまった場合には治療を勧められることが多いでしょう。
水イボでお悩みの患者様へ
当院では痛み止め(麻酔)のシールを貼って、1時間ほど待った後、ピンセットでつまむ治療をしています。
お子様が受診を嫌がったり、治療がトラウマになることがないよう、このような方法をとっていますので、痛みなく除去することができます。
全身に水イボが広がってしまった場合には、何度かに分けて治療していきます。治療している間に、新たに増えてしまうこともありますが、焦らずに定期的に摘除していくことで完治につながります。
伝染性軟属腫ウイルスは暖かくなると増殖能力が高くなるため、春~夏にかけて増えやすくなります。秋、冬に水イボに気づいている場合は、衣類で覆われているうちに、気温が高くなる前に、治してしまうことがおすすめです。