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帯状疱疹という病気を知っていますか? 名前しか聞いたことがなくても、なんとなく怖い病気と思っている人も多いはずです。 「帯状疱疹は何が怖いの?」 「もしかかってしまったらどうしたらいいの?」 「予防方法はあるの?」 といった疑問に対しても解説していきます。

帯状疱疹とは

  体の左右どちらかに、ピリピリとした痛みと、赤い斑点や水ぶくれが現れる病気です。 水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。 初めて感染するのは多くは子供のときで、水ぼうそうとして発症しますが、水ぼうそうが治ったあとも長い間、ウイルスは私たちの体内に潜んでいます。加齢・ストレス・疲れなどの様々な要因で免疫力が低下し、潜んでいたウイルスが再活性化すると、神経から皮膚へ達し、帯状疱疹として発症します。  

帯状疱疹の症状

体の左右どちらか一方に、神経に沿って帯状に赤い斑点や水ぶくれが現れ、一部には膿がたまります。ウイルスは皮膚だけでなく神経にも感染しているので、痛みを伴います。ピリピリ、チクチク、ズキズキする痛み、重たい痛みなど感じ方は様々で、違和感やかゆみとして自覚することもあります。その後、かさぶたになると、ウイルスは消失し皮膚症状は治癒します。  

治療

帯状疱疹の治療は以下の2つが中心となります。

①抗ヘルペスウイルス剤の飲み薬

  • 発疹がでて3日以内に飲むことが望ましい。
  • 効果が出るまでに2日程度かかることがある。
  • 7日間のみきる。
*重症の場合には入院の上で抗ウイルス剤の点滴が必要になることもあります。

②痛みに対する飲み薬

  • 痛みの程度に応じた鎮痛剤
他には
  • 皮疹の二次感染予防や、びらん・潰瘍を治す目的で塗り薬
  • 強い痛みが続く場合には、ペインクリニックなどで神経ブロック
を行うこともあります。

帯状疱疹が怖い病気と言われる理由

その1:合併症

  • 顔の帯状疱疹では、目の合併症である角膜炎・結膜炎・ぶどう膜炎などにより視力低下や失明に至ることがあります。
  • 耳の帯状疱疹で顔面神経麻痺を起こすと、ラムゼイ・ハント症候群と呼ばれます。めまい・耳鳴り・難聴を生じることがあります。
  • 運動神経を傷つけると、腕があがらなくなるような麻痺や、おしり近くの帯状疱疹ではおしっこが出づらくなる排尿障害が起きることがあります。
  • 頭や顔の帯状疱疹ではまれにヘルペス脳炎をおこし、命にかかわることもあります。

その2:後遺症

帯状疱疹後神経痛という後遺症があります。 皮膚症状が治っても持続する痛みのことです。ピリピリ、スキズキするような痛みの他、感覚が鈍くなる、触れるだけで痛みを感じるなど、症状や程度は人により異なります。発症時の痛みは炎症によるものですが、帯状疱疹後神経痛は神経の損傷によるものです。神経の損傷が回復するまで、症状の改善に時間を要するため、睡眠や日常生活への影響を訴える方も多いです。鎮痛補助薬、オピオイド鎮痛薬(麻薬)、うつ病治療薬などの内服薬や神経ブロック注射で治療していきます。 特に、50歳以上の帯状疱疹患者は、帯状疱疹後神経痛を起こしやすいと言われています。

予防はできるの?

50歳を過ぎると帯状疱疹の予防接種を受けることが出来ます。帯状疱疹ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。自治体によっては帯状疱疹予防ワクチン接種に対する費用の助成を受けられる場合があります。

帯状疱疹になったらどうしたらいいの?

  • 疑わしい症状が出た場合には、皮膚科専門医を受診しましょう。痛みは皮疹が出現する数日前に始まることが多く、帯状疱疹と診断されるまでに時間を要することもあります。 本人が気づかないうちに皮疹が出ていることもありますので、放置せずに受診をおすすめします。
  • 自身の体内のウイルスの活性化による病気なので、周りの人にうつることは基本的にはありません。しかし、水ぼうそうにまだなっていなかったり、予防接種をしていない子どもにはうつしてしまう可能性があるので、接触は避けましょう。妊婦に感染すると、先天性水痘症候群のあかちゃんが生まれることがあり、同様に接触は避けるべきです。
  • 出席・出勤停止期間などは定められていませんが、1週間程度はゆっくりと体を休めることをおすすめします。

再発はするの?

帯状疱疹に何度かかかる人はいますが、頻度は数%程度と言われています。その中でも、女性や50歳以上が再発しやすいようです。

まとめ

  1. 放置は厳禁!皮膚科専門医にかかりましょう。 放置すると重症化して合併症を起こしたり、後遺症が長引く可能性があります。 早めに治療することで、ウイルスの増殖を抑えることが出来ます。
  2. 高齢者はとくに注意! 帯状疱疹後神経痛を起こしやすい50歳以上の方は特に気を付けましょう。 帯状疱疹の予防接種は自治体によっては助成も受けられます。