秋ごろから、乾燥肌が目立ってきた方も多いのではないでしょうか。乾燥肌は皮膚のトラブルにつながります。予防のためには保湿剤によるスキンケアが大切なのですが、保湿剤の選び方・塗り方が重要なポイントになります。
乾燥肌があると
乾燥肌は、皮膚のバリア機能が弱まるため、炎症を起こしやすく、かゆみを伴う赤い湿疹を起こすことがあります。皮脂欠乏性湿疹という、秋・冬に皮膚科に来られる患者様の中では最も多い病気です。
湿疹だけでなく、細菌やヘルペスなど皮膚の感染症も起こしやすくなります。乾燥により皮脂のバランスが崩れて、ニキビが悪化することもあります。
保湿剤の選び方
医師が医療上必要と判断した患者様には保湿剤を処方することもありますが、病院で処方される保湿剤でなければいけないことはありません。市販されている保湿剤の中には、処方薬にはない保湿成分が含まれたものや、敏感肌に向けたものなどもありますし、選択肢が多い分、自分にあった保湿剤を見つけやすいと思います。
保湿剤の選ぶ際には、基剤に注目しましょう。
基剤には大きく分けて以下のようなものがあります。
- 軟膏剤
- クリーム剤
- ローション剤
- フォーム、スプレー剤
①→④にむけて、ベタつき、伸ばしにくさ、洗いにくさは少なくなりますが、被覆性(皮膚を覆う力)は低く、刺激性は高くなります。冬の乾燥の強い時期は、多少ベタついても被覆性の高い保湿剤を選択しましょう。クリーム剤が通年使いやすくおすすめです。
保湿剤の塗り方
回数
最低1日2回は塗りましょう。
日常生活での刺激が多い手、皮脂欠乏性湿疹をおこしやすい脛、他にも衣類の摩擦の多い部位などは、乾燥の程度が強く出るので、回数を更に増やしましょう。
塗る量
あくまで目安ですが、以下の量が、手のひら2枚分の範囲を塗れる量(1FTU=0.5g)になります。腕なら手のひら何枚分、背中なら手のひら何枚分、というように見積もってから塗るとよいでしょう。
- チューブタイプ:人差し指の先から第一関節までの長さ
- カップや瓶の容器タイプ:人差し指の先から第一関節までの半分が埋まるようにすくった量
- ローションタイプ:1円玉大の大きさ
しぶとい乾燥肌には皮膚科の受診を!
実は乾燥肌だけでなく湿疹ができていた、という患者様もいらっしゃいます。
特にかゆみや赤みを伴う場合は、皮膚科での診察をおすすめします。