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水虫という病気

水虫は、医学的には“白癬菌”と呼ばれる真菌(カビ)の感染症です。
足水虫、爪水虫と聞くように、主に足や足爪に感染しやすく、皮膚であれば水疱・皮むけなど、爪であれば肥厚や白色・黄色の濁りなどの症状を認めます。
最近の大規模疫学調査では、『日本人の7人に1人が足白癬、13人に1人が爪白癬』という驚きの結果が発表されました。(日本臨床皮膚科医会2024年41巻1号)
今回は水虫の中でも特に見過ごされやすく、治りづらい、“爪白癬”(爪水虫)についてお話していきます。

爪白癬(爪水虫)にどうしてなるのか

最も多いのは、足白癬(足水虫)を放置することで、皮膚から爪に白癬菌が感染していくケースです。足白癬の約2人に1人が、爪白癬にかかっているといった報告もあります。

爪白癬(爪水虫)の診断

爪切りなどで症状のある部分の爪を採取し、顕微鏡で白癬菌を観察することで診断します。

爪白癬(爪水虫)の治療法

患者さんの爪の状態やライフスタイルなどを考慮して、医師が以下の治療法から選択します。

抗真菌薬の内服剤

飲み薬の有効成分が、血液から爪へ運ばれて効果を発揮します。薬によって内服期間が異なります。副作用の確認のため、内服前・内服後に採血検査が必要となります。

抗真菌薬の外用剤

爪の下に浸透する塗り薬が、白癬菌を死滅させます。

※市販薬で爪白癬に効果・効能が認められているものはありません。
※爪白癬が完治するには、新しい爪に生え変わるまでの長い期間を要します。爪の生え代わりには1年から1年半ほどかかります。

爪白癬かも?と思ったら

爪白癬(爪水虫)を放置すると、爪の変形がすすみ、歩行時に痛みが生じたり、皮膚の小さな傷から重篤な感染症を起こす原因にもなります。白癬菌は家庭内感染も多く、気づかないうちに家族に移していることもあるかもしれません。
また、爪白癬に症状の似た、違う病気も多くあります。
足・爪に気になる症状があれば、まずは皮膚科で診察・検査を受けて、白癬と診断されたら医療機関からの処方薬で治療しましょう。
爪白癬は長い治療期間を要しますが、根気強くしっかりと治療を継続し、完治を目指しましょう。