いわゆるモデルナアームについて

コロナワクチンの接種がすすめられる中、当院にもワクチンとの関連を疑う皮膚症状で受診される患者様がいらっしゃいます。 特に、接種後しばらくたってから現れる腕の赤みや腫れ、熱っぽさ、痛みなどの症状はModerna社製ワクチンの代表的な接種後副反応として知られるようになってきました。俗に言う、「モデルナアーム」という言葉を耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。
同じmRNAワクチンであるPfizer/BioNTech社のワクチン接種後でも生じことはあるようですが、Moderna社のワクチンによるものが頻度的には圧倒的に多いです。
今回、この副反応について日本皮膚科学会の機関誌に速報的論文*が掲載されていたのでその内容をご紹介したいと思います。
この接種部位反応は「遅発性大型局所反応」として海外でも複数報告されており、典型的な経過では第1回目接種後の7-8日目に生じ、症状は11日目ごろまで持続、第2回目の接種では接種後2-5日目にかけて持続する反応が見られます。2回目は、1回目よりも早く接種後反応を生じるものの、症状自体は1回目より軽い傾向がみられるそうです。 そのため、1回目の接種でこの局所反応を生じた場合でも2回目の接種を制限する必要はないと論じています。
これまでに重篤な経過をたどった報告例はないので、原則的には無治療で経過観察、症状に応じて冷却や消炎鎮痛剤の内服、抗アレルギー剤の内服、ステロイド外用などの対症療法を行うことが望ましいとされています。
もちろん、蜂窩織炎など皮膚感染症との鑑別も大切なので、疑わしい症状があれば皮膚科を受診してください。

参考文献:東野俊英ほか 日皮会誌:131 (9)